807 :殿堂 2017/03/30(木) 19:46:02 ID:3oojUJlz0.net
オカルト板でこの話題はいいのかわからんが
今から50年も前の話。秋田は六郷村の、今はもうない小学校に赴任した教師の話

その人は集落ほぼ唯一の識字人であったため、村人に「先生」と呼ばれて慕われていた
その村では兎狩りが盛んだったため、先生も休日には鉄砲を担いで山に登り、
地域のレクリエーションとして村人と一緒に巻狩りを楽しんでいたという
冬も終わりのある日、岩手県境に近い奥山に兎狩りに行ったのだが、その日は豊漁だったそうで、
みんな山頂付近まで兎を追い上げ、小休止の時間になると満足そうに談笑していた

先生が村人と談笑しながらうろちょろしていた時、突然、足元が「ズボッ」という感じで沈んだという
あれ? と思った瞬間、今まで騒いでいた十数人の村人たちがピタッと騒ぐのをやめ、恐ろしい形相でこっちを見る

え、なんなの? と思った途端、一人の村人が「おい先生、ゆっくり、足元を見ないでこっち来い」と言い、
恐ろしい形相で両手を差し出した。先生は逆らうことも出来ず、ゆっくりと歩き始めたという
ただ、一歩踏み出す事に「ズッ、ズズッ」と足元が沈み続け、いよいよ怖くなった
あの、これは……と先生が言いかけた途端、その村人が「いいからこっちさ来い!」と叫んだ
訳もわからず地面を蹴ってその村人に飛びついた途端、地面がボン! という音とともに消えたという

なんとその先生は、20m近くある崖の上にせり出した雪庇の上に乗っていたのだった
つまり、さっきまで自分が乗っていた地面は地面ではなく、雪の塊だったのだ

いやーよかった、神様に感謝だな、あと少し遅ければ、先生は春まで雪の下敷きだったでぁ……
と村人たちは大笑いしたらしいが、先生は気が気でなく、一日中震えが止まらなかったそうだ
ただその六郷村の集落は現在ではダムの底になり、往時の村の面影はなくなってしまったという